37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

言葉

長い長い眠りだった。そこで夢見られていたものはこうだ。 「私は死んで、一冊の完璧な書物として生まれ変わる」。(松本圭二「アストロノート」『アストロノート』より) 今日響いてきた言葉。この自分が一冊の書物であったなら、誰かに繙かれ、読み解かれ…

「あたしも人形なんだわ。エンズビルに作られた人形よ。そうなんでしょう?」 「きみは生きている。人形なんかじゃない。ちゃんと熱い血が流れている。どうして泣く?人形なら泣いたりはしない」 「泣くように作られた人形だってあるわ」 (神林長平『あなた…

「本そのものが存在したがっているということを理解するのに、わしは何年もかかった。本を夢想してごらん。どんなにか荒唐無稽で、ありえないことでもいいんだ。夢想すればその本は存在する道をみつけるだろう。たとえ千年待たなければならなくてもね。」 「…