37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

あるところで

あるところで、ある人をひっそり偲びます。
そのあとで、なにかを忘れていないか、確認をする。

そのひとそのもの、ではなくて、そのひとをつうじてみせてもらった、もっと、おおきなもの、たとえばそれは、存在するものすべてが美しくあれる一瞬があるということ。
そして、なによりもそれをみたという、このわたしの記憶、思い出。
それを忘れてしまっていないか、置き去りにしてしまっていないか。

いくすじもの傷に血が滲むのをみて、やっとすこうし安心します。
もうすこし、まだすこし時間が欲しいのです。