37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

2010-01-01から1年間の記事一覧

おおつごもり

+ 来年にむかって、時が静かに充ちていくのを感じる日。+ 今年もあと残りわずか。いつも一年の終わりはどこか不思議な高揚感につつまれて、おごそかな気持になる。

聖夜

+ 今年の秋の日。+ 日付がもうかわるころ、雨のなかをおうちへと歩いていたら、金木犀のやわらかいかおりがふっとした。実家の庭には、いまのわたしより背の高い金木犀が、50本ちかくもあった。毎年花が咲くこの季節は、この香りのなかで、目覚め、ごはん…

+ 風にはらはらと散る櫻のように、なにかの場面やシチュエイションや言葉が、不意に頭の中に舞い降りてくることがある。自分の意志とは無関係に突然訪れるもの、飛来するもの。それは夢を見ることと、どこがちがうのだろう。でも、その夢を見続けよう、見続…

+ 鉱物や人形や星の光に囲まれた生活。 生きながら死んでいるものは静かで好き。 + 夜になると、ざわついていた神経もすこし静まって、昼間には閉じていたもうひとつのアンテナが開いていく。どこからか降ってくる言葉、運ばれてくる夢、湧いてくる風景。引…

+ ずっと動かなくなっていたわたしのエヴァ、魂、絆、つまりは言葉。なんとかして動かしたいのに、ときどき動かなくなってしまって、たまらなくなるときがある。世界とのシンクロ率、零。でも、どうがんばっても壊れていく自分を自分でとめることができなく…

夏の夢

+ 今夏の体調不良は、暑さのせいもあるのではないかってそのあたりは警戒しながら過ごしています。書いておきたいことはたくさんあるのに、また偏頭痛でうごけなくなったり微熱だしてしまったりとか。はやくすずしくなぁれ。 + そんな夏のせいか、ちょっと…

+ 夏の光はとても強くてまぶしいから、どの季節よりもくっきりと鮮やかな記憶を心に焼き付けていく。フラッシュの閃光がフィルムを感光させ、景色を永遠のものとしてしまうように。あたまのなかで再生すれば、時間が戻ったのかと錯覚しそうになる。光がまば…

+ 日記を書きたい、物語を書きたいというより、あたまのなかのものを吐き出してしまいたい。そうでもしないと、気持が悪くて堪らない。

+ わたしにはまもりたいものがあり、まもらないといけないものがあり、それをまもりえるのならば、肉体や命を消尽しつくすのを厭う理由は微塵も見当たらないのだった。 + なぜいつもなにかを読んだり見たり聞いたり書いたりしているのか、わからない。理由…

+ こわいときは書きなさい、書いていなさい。どうせきみは書かずにはいられないのだから。 はい、書きます、書いています。でも、もう少し恐怖がエスカレートしたら指がふるえてキーを打つこともペンを持つことも難しくなる。冷たい焔で背筋をちりちりと焼…

+「人生には楽園が必要だ」という言葉は――

+ 「人生には楽園が必要だ」という言葉は、どこで聞いたのだったか。 + 現実の瞬間を切り取ったような躍動感のある絵も素晴らしいのだけれど、僕が魂を惹かれるのは全ての可能性をはらんだ、静止した絵。箱庭のような、調和のとれた美しさ。そういうものだ…

+ 眠れない夜にすること。羊を数えたあとで、星を数える、天使を数える……つまり、終わらないものを数えてみる。眠れなくても安心。数え終わらないから。

+ 喉をかき切られる夢を見て涙の感触で目が覚めた。夢のなかでも殺されつづけるのはくるしい。 おわりがないから。あちらが現実【此処】だったら一度きりでおしまいになるのに。 + 何が/目的なんだ/どうして… 先生に/興味が/ありますの 情熱を/喚起す…

+ どんな言葉でも、言葉である以上読まれることを欲しているものだ、そうでない言葉なんてない。そして、言葉は他者に向かって書かれるものだ。読まれることを意識していない、読者を想定しない言葉なんてものはないよ。 このような文章でもですか? それに…

ad extirpanda

+ ずっと綺麗だと思っている景色を見にいった。できるだけ痛くも苦しくもない方法をずっと考えている。でも「絶対」「確実」にと思えば思うほど、どれにも確信がもてない。

+ もう望むことはほとんどないから、願いをかける必要はないの。 でも、まだほんのわずかでも祈ることが赦されているのなら。 最後の瞬間まで世界の美しさだけはそこなわれることがありませんように。 わたしの存在や自意識がそれを穢してしまうならば、そ…

+ 何処にもいたくない。

水無月祓

+ 本も映画も音楽も香りも食事もお洋服も、結局過剰なものか欠落しているものが好きです。知らない景色、知らない世界、知らない感覚。知らない世界の気配を感じたくて、いつも求めているのはここではないどこか。もっと遠くへ、世界の最果てへ。 いまから…

無駄遣い

+ 微熱がつづきます。帰れなくて寄り道していたら雨に降られました。火照る身体には心地よい冷たさ。ウイルス性の熱ではないので大丈夫なのです。お薬飲みすぎたのか、動悸が激しくて息苦しくて余計に眠れなくなってしまう夜。失敗。 + アヤナミみたいに、…

すべてが

+ 「思い出と記憶って、どこが違うか知っている?」犀川は煙草を消しながら言った。「思い出はよいことばかり、記憶は嫌なことばかりだわ」「そんなことはないよ。嫌な思い出も、楽しい記憶もある」「じゃあ、何です?」「思い出は全部記憶しているけどね、…

言葉では

+ 内面では叫びたいほどに狂いそうなほどにさまざまな感情が溢れていて制御できない。その感情のうねりを記述するのに、言葉では全然追いつけない。そのままを言葉に転写できるわけではないから。言葉は意外と不自由だ。内面の思いや感情の波を言葉にしたと…

刻印

+ このところ、ほとんど眠れなくて書き散らかしているといつのまにか朝が来ている。お薬は怖いので、いれない。不眠のところにお薬いれたら、効きすぎてそれこそお仕事できなくなっちゃうし。強い薬に慣れなくて、仕事をしないといけないときは、規定量の3…

ほんとうに

+ 「破」を見ています。生きていれば誰もがいつか直面する、「内面」の、「心」の葛藤の物語として、くり返し見ている(わたしにとって、この物語はぜんぶそうなのです)。わたしがほんとうに守り抜きたいのは何だろう。守らなければ、守り続けなければいけ…

失敗

+ 「人間」になろうとおもって、また失敗している。せめてなにかのふりをと思っても、それもできないまま。 + 日常にそっとかけられているちいさな儚い魔法を愛してる。そして、それでいて破壊や消滅を微塵もおそれていないものを。 + 去年、ずっとつくっ…

雨なのに

+ すべてがとても遠く、ぼんやりとしていてさびしい。今日の雨は、あの包み込まれている穏やかな感じがちっともしないの。ずっと雨は降っているのに。+ ねむるのがこわい。こわい。こわい。こわい。毎晩何度も呼吸がとまるの。夢のなかでも此処でも。どち…

世界のうつくしさ

+ どうしたらこの世界のうつくしさをそこなわずにいられるのか、ずっと考えている。 + 大きく息を吸い込む。二度とはめぐってこない、今年の夏の匂い。

去っていかない恐怖なら

+ 去っていかない恐怖なら、いっそ憑り殺してくれたらいいのに。 + 美少女を生きるって大変、美しさのそのぶんなにかを背負って生まれてくるから、只では生きられないからという話にふかくうなずいてしまう。 わたしのまわりにもたくさんの美しい少女たち…

お別れをいいに

+ 熱は37.8℃、心も身体もとても重たくて、起き上がれなくって。直前まで弔電を打とうかと迷ったけれど、お通夜にいってきました。言いたくないけれど、でも最期だから。もう終わりだから。せめてちゃんとご挨拶。またね、がつけられないお別れをしてきまし…

静かに

+ なにかとなにかの落差が激しさを増していっている。自分が抑えられなくなりそうで、それがいつなのかさえわからなくなっている。いま、わかるのはそれだけ。静かになりたい。