37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夢の終わり

8月が終わる。いつも永遠のように思われる夏が夢のように過ぎていく。

読みたい本が多くて困っている。新書棚いっただけで、10冊近くリストアップしてしまうし。見たい映画もたくさんあるけれど。いったい何処まで求めれば充たされる欲望?でも、まだ見知らぬ未知のあの一点を求め続けたい。軌跡をたどり続けたい。そこから開け…

宿題

静かに時が充ちるのを待つ。宿題、もう半分以上は終わった気がしていて。もうそろそろいろいろいいよね。いいよね。と思いたくなる気分。お薬で意識を消してしまいたいのだけれど、一日では、お薬抜けないから。忙しくてカウンセリングの予約も取れてない。…

春宵綺譚

いつのまにか、こんな処まできていた。知らぬ間に日もとっぷり暮れている。無我夢中で走ったせいだ。熱に浮かされたように走ったせいだ。俺は見事な枝振りの、ああ、それを折りとってしまったのだ。江戸一番の櫻の大木の……そうだ、この都で一番美しく気貴く…

李良枝『由煕』、佐原ミズ『私たちの幸せな時間』

私…/貴方の事/好きでは/ありません… けれど/嫌いでも/ありません だって私は/貴方の事/ 面白可笑しく/描きたてる/第三者の記述/でしか/知らない… 人を思いやる/余裕は/私にはありません 拘置所に/来るなら/何かを得て/帰りたい… けれど/皆が交わす/上辺だけ…

スカイ・クロラ、小説版。

「死にたいと思ったことがある?」 「だから、しょっちゅう」彼女は微笑んだ。なんだか嬉しそうだった。その表情は、瑞季にそっくりだ、と僕は気づいた。 「どうして、そのとき、死なないわけ?」 「さあ、どうしてかな」草薙はますます首を傾げる。「もう少…

THE MEMORY OF ABSOLUTE ZERO

ここしばらく絶対零度、という温度、概念に惹かれている。理論上は原子の振動が止まる温度、すべてが凍りつく温度。Absolute zero。-273.15℃。奇しくもこのブログのタイトルの温度とちょうど反対だったりする。ちなみにブログのタイトルは大好きな映画の原題…

ーサラ・ケイン『4時48分サイコシス』より抜粋

身体と精神は決してひとつになれない私はこのできあがった今の私になる必要があるこの不一致のために永遠に呻き続けることになるだろうこの不一致こそ私を地獄へと追いやったものなのだ説明不能の期待は私を支えてくれはしない身体にまつわる違和感に私は落…

石原吉郎

・瞬間 ねむる おそらくは飢餓へ充実するために ゆえにねむる 憎みつつねむる ねむりつつひきもどす たえずめざめるためにそのためにねむるねむらねばならぬ 主体を喪失するために 喪失する主体をその瞬間にもつために その瞬間に(傍点)一挙にもつために瞬…

石原吉郎とサラ・ケイン

石原吉郎の詩でいくつか好きなのをあるひとに送ったらお返しに、サラ・ケインというひとの詩がかえってきました。素敵だったので、かきとめておく。まだ言葉にならないのでこの日々がじっくり醗酵して醸成してくれるまで、寝かせておく。

眠れない夜

胃が痛いけれど吐いたら倒れちゃうし。食物を受け付けられないのを知っている人が驚くくらいたべているけれど、45キロは軽くきっちゃっていて。たべてないときっと即入院体重。でも食べているのに太れない状態のほうがちょっとこわかったりする。あぁ、いま…

ゆっくりと

ゆっくりと言葉をつむぐ。それはひどくゆっくりとしか進まず、ときどきこれは体裁をなしていない。でも吐き出さないと息苦しくて息苦しくて、いったいこれは何なんだろうと思う。思いながらやめることが出来ない。

百年はもう来ていたんだな

zabadakの「百年の満月」を聞いていら、無性に漱石の『夢十夜』が読みかえしたくなり、一夜めでやっぱり心が震えた。あなた、待っていられますか――百年。いなくなって百年たってもおぼえていてもらえる人は、そうでないひとにくらべてどれだけいるのだろう。…