2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧
夢のようだった8月が終わる。でも、空を仰ぐと真っ青な空に白い雲が眩しい。まだこんなにも夏が残っている。
たんたんと慣れた手つきで、ものをつくる指先を見ている。瞬く間にそれはできあがった。学研「大人の科学」の付録のプラネタリウム。ちっちゃいながら、1万個の星が輝くしろもの。ぱちんと電気を消すと、部屋中にたちまち無数の星が出現した。手や身体に星影…
桃をいただいたついでに、お昼を浅草は米久に連れて行っていただきました。集まりをしたときにときどき行かれるところなのだとか。高村光太郎も食した百年の老舗だというお店は、入店するとその数だけ、玄関にある大きな太鼓の音がなる。 どんどん、と、これ…
きっちり3秒間だけ意識がとんだ。それも完璧に。全然痛くも苦しくもなかった。すうっとフェイドアウトするように、音もなく消えていったすべて(つまりは身体意識や世界との距離)。意識がないから知りもしないはずなのに、あの3秒間が恋しい。酷く恋しい。…
夜、連れられて、いままで歩いたことのない道を歩く。そのひとが案内してくれなかったら歩くことなんてなかったはずの道を。 涼しい夜気に包まれた遊歩道は、人気がほとんどなく静かな水の音しかしない。野良猫がわたしたちの前を走り去っていく。交わす声よ…
いつもそうであることを明確に自覚しておかなければ。
どうしようもない衝動に襲われる。深い痛みが欲しい。死ぬまで忘れ得ぬような。
図書館と夏。夏の図書館。この組み合わせが、永遠に美しく思えた今日の午後。
頬をそっと撫でていく風が涼しい。なにも起こらないまま、また夏が終わってしまう。そのことだけが唯物狂おしい。
要するに、われわれが読むべきなのは、かみつかれたり刺されたりしたように感じる本だけだと思う。本を読んで、頭を一発殴られて目が覚めたように感じないなら、読む意味がどこにあるというのだ? 「幸せな気分になる」ために読む? 冗談じゃない。幸せな気…
ロフトプラスワンにて、石田一氏・菊地秀行氏によるトークイベントに行く。16ミリのハマーフィルム『吸血鬼』の上映が楽しみ。
その言葉をきいたとき、なぜかわたしもこころの準備をした。そういう言い方はおかしいのかもしれないけれど、でも、その言葉はやがてきたる日のことを確かに暗示していたから。それはあのときだって、あのときだって、いつだってそうだった。そして、これか…
わたしにちかいものほどわたしをきずつけることができる
結局一週間微熱がとれなかった……。でも、先々月くらいに血液検査をして心電図もとっているし、とりわけ心配することはないと思う…。貧血気味の血を濃くすることくらいが課題。
自分を損なえるものをかき抱きながら眠る。すこしでも力が加われば、簡単に自分を壊せるものといっしょに。その重みに不思議な現実感と安寧を感じながら。なぜかいつもより今夜は眠りが深い。
「1-1=0 美しいと思わないかい?」 博士はこちらを振り向いた。 ――小川洋子『博士の愛した数式』(新潮文庫、H17)ええ、思います、思いますとも、博士。「いちたすいちは、に、だとおもう? ほんとうに?」教授がわたしの前で不意に立ち止まり、正確なゆっ…