37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

11月の終焉

雪の気配がしない。冬の匂いがしない。眠りは遠い。

たとえば

子供のときから、「子供」のままでいたいなんて思ったことは一度もなかった。ちがう、正確に言うと、そのままではいられないことを知っていた。だからといって、「大人」になりたいと思ったこともなかった。「子供」でいられないなら「大人」になる、という…

None But Air

そもそもあの夜、、自分がとった行動が、僕は今でも理解できない。だけど、まったく、後悔もない。あの場では、ああいった飛び方しかできなかったはずだ。どんなときでも必ず、最適のルートを僕たちは飛ぶ。飛ぶという行為自体が、そういう意味なのだ。すべ…

魔法

つづく本文に、あらゆるバリエーションで描かれている発作のもろもろの症状は、かなりの部分あてはまったし、その表現の一つひとつ、その描写の一つひとつに、そうだよ、そういうふうに閃光が視えるんだ、そういうふうに脱力感は襲うんだ、頭は痛むんだとう…

代償行為

首を絞めてもらうのは、単純に死の代償行為。それ以上でもそれ以下のものでもなかった。それはいまだって変わらない。殺意がなければ、一般的にはセクシャルな戯れとして読み解かれる、それ。易々と性的興奮の増進と刺激に結び付けられる、それ。確かに、タ…

封印

献本していただいたあの本は、手元に届いたときから、あるひとによって封印されている。だから、実は本を手にしたことはほとんどない。何度も解いてくれるようお願いもしたけれど、その都度拒否されてきた。服用すればそのひとからみて、よくない方向に作用…

名前

ブログの名前、変更したほうがよいかな、と迷い中。リンク元をみると、微熱がでて検索でこちらにいらっしゃるかたが、恐縮してしまうくらい多いのでした。

深く眠るための+

痛みを与えられたあとの眠りはやすらかだ。現実の苦痛はより鮮やかで神経を昂らせ、悪夢をやすやすと凌駕してしまう。現実の苦痛がまされば、必然眠りは深くなる。それが苦痛を求める理由の一つ。夜毎に、癒えない傷を開いては閉じ、閉じては開きながら、神…

沈香の

このブログを、沈香のよう、とおっしゃってくださった方がありました。香り、それも一番好きな匂いにたとえていただけるとはうれしいかぎり。沈香は香道で使われるように、熱すると独自の芳香をはなちます。ここもなにかの熱をかんじとったときに、言葉を綴…

朔月の夜は

11月の夜空は澄み切った深い群青。オリオン瞬く東京の空。星を見上げていると呼吸が深くなった。帰れない日の夜散歩。