37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

万聖節前夜祭の夜

◆いつかはいなくなるから、やさしくしてもらっているのだとおもっていた。でも、もしかしたら、それははんたいだったのかもしれない。◆内田善美、『白雪姫幻想』をのこして読了。

グレゴリー・コルベール、ASHES AND SNOW

◆夢に還るいったいどれくらいの刻をやり過ごせば、たどり着ける夢なのだろう、此処は。長久の刻をカメラの前で過ごしながら、ようやく捉えた美しい一瞬。そのたった一瞬が、永遠の夢となって顕れている至福の映像。それが今年の誕生日に貰った、最も美しい夢…

内田善美@L’ESSAIS LUNATIQUE

◆内田善美@L'ESSAIS LUNATIQUE素天堂さまにご快諾いただいたので、リンクを。いままで封印(?)されていた内田善美についてのエッセイが、素天堂さまのサイトにて一般公開されています。内田善美が気になっている方々は必読。 内田善美ってだあれ?という…

燃えるスカートの少女

◆「癒す人」 カップを手に入れられなかった人たちは火の女の子のところにいった。困ったり、さびしかったり、苦しんでいるときに、かれらは彼女に会いにいった。運がよければ彼女は燃える腕をバケツから出して、手首の先端でかれらの顔にやさしくふれてくれ…

◆鋏 鋏を買いました 世界と自分を切り離すための、 いつでも身につけておけるちいさな鋏を。 ◆世界を 世界を遮断してくれるあの指が恋しい。 意識がとぎれるあの一瞬の空白に還りたい。 ◆夢の中へ逝って 夢の中に逝ってしまったひとの物語を読みながら、気付…

言葉といふものは

言葉といふものは生きている事の不安から、芽ばえて来たものぢゃないですかね。腐った土から赤い毒きのこが生えて出るやうに、生命の不安が言葉を醗酵させているのぢゃないですか。よろこびの言葉もあるにはありますが、それにさへなほ、いやらしい工夫がほ…

autofiction

わたしがはいっているこの容物を、わたしは自らの意志でときどき傷つけてしまう。かわりはないというのに、痛めつけずにはいられないときがある。なにを求めているのか、自分でもわからないままに。冷たい部屋のなかで静かに、目標を見極める。この器を好き…