37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「ありがとう。言葉は、言葉だけなのに、でも、結局、言葉が嬉しいわ」 森博嗣『女王の百年密室』(幻冬舎、2000)

誰かわたしの理性を殺してください。消滅させてください。たとえ、一瞬、ひとまたたき、つかのまだけでも。呼吸がしづらいのです。硝子の破片を呑み込み続けているよう。

欲望と背理

病院にいってきた。お薬がかわった。色々考えだすと、こころもからだも凍ってしまいそうになるから、頭をドライヴさせて、知識をむちゃくちゃに詰め込んでいたりする。なんだかおかしなタイミングでくる知識欲の波。なにかへの飢餓感。秘密結社について、カ…

ぼくは……

「ぼくは、ぼくの愛するものを、愛す」リーア王子は断固として、繰り返した。 (中略) ユニコーンは、もう一度、王子の心臓の上にふれ、しばらくの間、角をそのままにしておいた。かれらは、両方とも震えていた。リーア王子は、まるで手が言葉であるかのよ…

探索

ユニコーンを求める探索の旅。どんなに遠くても、出逢える可能性が低くても、いつもそれを求める途上でありたいと思うのです。

図書館

仕事で必要あって、図書館にいったら勢いで15冊予約いれてしまう。半分は岩波の東洋講座とか、思想、仕事関連だけれど。おもわず『幼ごころ』も借りてきてしまった。岩波文庫、ヴァレリー・ラルボー。思い立って、ポーのベレニスもようやく予約。ドールヴィ…

うた

ふと気がついたら、以前よりすこしうたがうたえるようになっていた。なにがあったわけでもないのに、不思議だ。まだ小さな声だけれど。うたは、たとえば、せかいへのことほぎ、あるいはじゅそ、あるいはぜつぼう、あるいは……うたはなんだろう。うたは、リズ…

白色雑音

夢を見る力さえない日は、テレビのホワイトノイズを小さくつけて眠る。ホワイトノイズは、すべての周波数をふくんでいるがゆえに、白と名づけられた波長。色の世界だって、あらゆる色の波長を含んだ色を、わたしたちの視覚は白と認識する。すべてがふくまれ…

奇跡

会社のデスクで泣きそうになって、いったい一日に何度洗面所に駆け込んだことか。でも、間に合わなくて結局、デスクの影で熱くなった目頭にハンカチを押しあてていました(精神的にはもっと泣いていた)。原稿でこんなに泣かされてしまうという至極幸福な体…

発作

恐い、の発作。午後中ずっと。

風邪治る

ようやく熱が下がりました。年始から3日ほど、38℃越える熱で寝込んでしまっていたのだけれど、いつもの微熱くらいに。心はあいかわらず颶風にさらされているような感じだけれど、いましばらくは静かに眠りたい。

感性の糸

おなかが空いた。おなかが空いているくせに、なにをたべていいのかわからない。あるいはたべたいものがない。あるいは、何も口にはしたくない。おなか空いているのに。 表出する感情と内面に噴出する感情のバランスが崩れている。もともと調和しているような…

グラマラス・ゴシップ

自意識過剰な少女たちの一群は、アイドルのようなビジュアル系の、主人公が登場する少女マンガにも、いわゆる対幻想ものの従来型少女マンガにも、かといって芸術少女趣味の系譜にも、いまいち乗り切れない。なぜなら、社会が少女として規定してくる自己と、…

発熱

38℃以上の熱のせいか悪夢に魘されて、眠っても1時間ごとに目が覚めてしまう。常備薬が飲めないせい? 目覚めてしまう此方も悪夢だったらどうしようと、ときどき自信がなくなる。恐い恐い恐い恐い恐い恐い。全てが恐い。恐くなるときがあるんです。

最後のユニコーン その2

「すべてのものが死ぬということは、良いことです。あなたが死んだらわたしも死にたい。かれに、わたしに魔法をかけさせないで。わたしを不死のものにさせないで。わたしはユニコーンではありません。魔法の生き物ではないのです。わたしは人間、あなたを愛…

最後のユニコーン

「わたしに何をしたの?」彼女は叫んだ。「ここで死んでしまいたい!」滑らかな身体を引き裂こうとした。指のあとから、血が流れ出た。「死んでしまいたい! 死んでしまうわ!」声の中にも、両手にも、両足にも、新しい肉体にかかっている白い髪にも、恐怖が…

あけましておめでとうございます。

謹賀新年。あけましておめでとうございます。 いつも重たいことばかり書いているのに、お読みくださっている方々、ほんとうにありがとうございます。いつもの調子は変わらないと思うけれど、今年はもうすこし明るいことも書けるようになったらいいなぁ。とい…