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読書と映画の備忘録

画ニメ画ニメ画ニメ!

お仕事がらみで画ニメ新作「H・P・ラヴクラフトのダニッチ・ホラー その他の物語」試写会へ行かせていただきました。上映されたのは、「家の中の絵」「ダニッチ・ホラー」「フェスティヴァル」の3作品。「ダニッチ・ホラー」はご想像の通り「ダニッチの怪」が原作。ジム・オルークの音楽と共にラヴクラフトが描く世界の静かな不気味さが伝わってくるよう。そして、なによりもこの世にあらざるものを映像化してしまった作り手の熱意(ダニッチの怪物、素晴らしいです!)にこちらもついつい熱くなってスクリーンに魅入ってしまったのでした。

画ニメとは、静止画を中心にセリフや効果音を組み合わせたものだそうだけれど、むしろアニメや映画、というような制約から自由に解き放たれた表現でとても斬新!それになにより「単に作品の紹介だけではなく、才能あるクリエイターの発掘の場」と謳うように、そのラインナップの渋さにも心うごかされます。太宰治「女生徒」にバルザックざくろ屋敷」、植田正治の写真を編集した「つゆのひとしずく」…といった感じ。



この世にないはずのものを想像できること、その想像力を持ち得ている奇跡。
畏れはするけれど、畏れのないものに心を魅了されることはないのだから、想像できるという力のまえで、いつもわたしは畏怖とともに跪く。
顔をあげて見つめても、決して最期を、その果てを見ることが叶わない力の前で。