37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

五十嵐大介『魔女』??(小学館)を読む。すごい、すごいすごいすごい! 買ったばかりなのに、もう何回も読み返している。早くこの感動を表現したいけれど、うまいぐあいにぴったりくる言葉がまだみつからない。言葉の感覚をはじめ、アニー・ディラードみたいな、もしくはシュペルヴィエルの「海の上の少女」を思わせるような素敵な要素がぎゅっとつまっていて(そのほかにもたくさん)、わたしの琴線に触れる。触れすぎるくらいだ。ふさがりかけていた傷口から、ふたたび血が溢れ出す。いっそう鮮やかになるなにかへの痛み。でも、それはまた弱っていた心臓が力を得てふたたび強く鼓動をはじめたということ。強い痛みにゆさぶられるときこそ、生の充実をもっともかんじられるようにできているのだから……。これはずっと好き、そして明日にはもっともっと好きになっている、そんな作品。もっと言葉を見つけたい。この感動を伝えうる言葉を。

魔女 第1集 (IKKI COMICS)

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魔女 2 (2) (IKKI COMICS)

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