37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

万年筆

 ふらふらと土曜日の雨の中、神保町までおでかけして、万年筆を買ってしまいました。
神保町は、伝説の金ペン堂で。

 実は文房具好きで、デパートやら銀座に行ったら必ずITOYAや鳩居堂などに行ってしまう。しかして、このあいだモールスキンのノートを買おうと新宿のITOYAに行ったとき、飾られていたのがパイロットの色雫というinkのシリーズ。この端正な壜に入っていた紫陽花色に一目惚れしてしまったのが、今回の顛末だったりする。

 金ペン堂のご主人は、その人を見ただけで、どの万年筆がぴったりくるかわかるのだとか。けれども、体調を崩されているとかでお店にいらっしゃったのはご子息。せっかくなので、ご子息に見立ててもらいながらも、迷いに迷う。
 それでも最初の一本と言うことで、最初に勧めてもらったウォーターマンはなぜかしっくりこず、結局は金ペン堂が自信をもっておすすめする一本にしてみることに。ペリカンのM800、黒縞にメタリックな青に金が美しい一本。これで、何十年も使えるのだそうです。金ペン堂のペンはカスタマイズされていて、反対側からも書ける仕様になっているのだそう! 反対側は、フツウにかくときに半分の太さ。メーカーがその技術を学ぼうとしたけれどついにだめだったとのいわくつき。

 そういえば、お店のショーウィンドーに飾られていたデルタのドルチェヴィータ、やっぱり可愛い! そういえば、ドルチェヴィータ、『クローズドノート』で使われて有名になったそうです……可愛すぎて溜息。

 でも、万年筆の世界がこんなに奥深いなんて……。何百万円もする万年筆があったり、インクの色を好みにブレンドできたり(血の色、これ欲しい! 好みに色にインクをブレンドしてくれる人もいるそう)、ペン先の細さや太さ、デザイン、ペン先やインクの色とのコーディネイトなどなど、お洋服の組み合わせみたいで想像するだけでわくわく。

 それにしても、紙にペン先を滑らせるのがこんなに楽しいなんて!
書いても書いても何十年も平気だなんて、なんだか頼もしいのです。