37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

幸福

偏頭痛と微熱の身体を抱えて力がある限り、さくさくと片付けをすすめる。今年から始めた身辺整理。今年の初夏、とある物語に出逢ってからは、それが加速した。もうなにもほしくない。なにもいらない。全て片付けてしまいたい。ほんとうにだいじなものだけのこして。それさえわかっていれば、いい。それ以外は、なにもほしくない。

気がついたら、お洋服のセールにも全くといっていいほど行っていなかった。サイズが微妙だということも大いにあるのだけれど。

とはいっても、今年もたくさんの魔法のおかげで、素敵な物語や映画や音楽や漫画に出逢えた。それは、いまもつづいている。……よくばりでよくばりでよくばりなわたしだから、ここにいるかぎり、生きている限りは、そういうものを求め、触れていきたいと思うし、絶対にそうすると思う。
形而上のものにはいまだって、食指が動く。

でも、それとは全然別に、今年の夏以来、ときどき、ほんとうに、もうなにも、いらないとさえ思える瞬間に襲われるときがあった。

それは、とある意味において幸福、なのかもしれない。あのOやVが辿りついた処と同じなのかもしれない。