37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

メール

「ブログを注意深く読み返してみると、生きたいという願望と、どうしようもない絶望と、絶対的な真理に対する信奉が同時に感じ取れます。ところが最近は以前にもまして強烈なタナトスのようなものが感じられます。確実に死に迫るものが大きくなっているのですが、一方で生に対する指向性も大きい。」

1日の日記を書いた後、魔法使いのHNを冠するひとからこんなメールが来ていた。自分の言葉よりはるかに的確に自分の今の状態が言い表されていたのでびっくりする。たしかにそうだ。揺れ幅は大きくなっている。だから、どっちに転がっても以前にまして自分で自分をもてあましてしまう。時をやり過ごしていくたびに。今度ふれたらもうもどってこない気もする。もどってこれない気もする。もどってはいけない気もする。

わたしはまだその真ん中でどちらにもいけず、ずっと蹲っている。

どちらかにふれようとしては何度も傷つきながら真ん中に戻ってくる。どこにもいけずに。両側からおなじ力でひっぱられてどこにもいけない。拮抗している重力。あふれだす一瞬の前の表面張力。微妙なバランスで保たれ続ける均衡。あとわずかな力で崩壊する罅割れ。

不安と恐怖と死を背後に感じながら眺めるこの世界はすごく鮮明できらきらしていて、とても美しい。

どちらにいくのか、いけるのはどちらなのか、まだ自分自身でさえわからない。そんな足元もおぼつかない場所に今のわたしはいるような気がします。あいかわらずの微熱を抱えた身体、増えつづける薬、維持できない体力、そんなものと闘いながら。

ほんのわずかでも、めざす処へ少しでも近いところへ行きたい。