37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

胸の奥にゆっくりとひろがるやわらかいひかり 
おだやかな凪のように、こころの海を充たしていく
かなしみ、よろこび、うれしさ、いかり、にくしみ、せつなさ、じょうねつ
ありとあらゆるかんじょうがとけた海は、おおきなうずをまき、
いま激流さかまく螺旋の柱となって、ねじれながらよじれながら空の高みへと駆け昇っていく
海のみずがすべてなくなったあとにくるのはすべてのおわり
ひかりよりおおきいやみがすべてをそっとつつんでいく
とじていく世界のくらさ、凍っていく世界のうつくしさ
それはとても冷たくとてもやすらかな、おわり
切り裂かれ張り裂けるような強いいたみさえ、
なつかしくていとおしくてせつなくなるような

夜のしじまに守られて、まどろみつづける
またひとつ終わらない夢のはじまり