37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

2011-12-08から1日間の記事一覧

氷がくるまえに

+ 胸に吸いこんできた山の空気はとても綺麗で透明だったから、よけいにさびしかった。あのときの空気は、破れて飛び散った鏡の欠片【かけら】のように、躯だけでなく魂のなかにまで鋭く無数に突き刺さっていて、いまでも全身が鋭い痛みで痺れる。とけること…