37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

世界との境界は曖昧で、時々何処にいるのかさえわからなくなってしまう。でもたとえば、セックスをしているときやぎゅっとしてもらっているとき、だれかの体や心とちかいと思えた瞬間だけは、自分が何処にいるかがわかったような気になる。自分の輪郭がいつもよりはっきりするような気になる。でも、わたしと世界との境界線が鮮明になればなるほど、世界はいっそう遠のいて行くように思われ、恐ろしくなってしまう。

でも、本当はもっと揺らして欲しい。わたしの身体を、心を。ゆらゆら揺れながら、世界との距離を、貴下との遠さを正確に知るために。そのために、わたしは他者を求めあがきつづける。已むことなく永遠に。