37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

あなた方の/立場からみれば、
わたしは/2つの世界を/つなぐ者。/言葉のある世界と/ない世界の
あなた方の世界は/"有限"。
わたし達の世界は/"無限"。
あなた方の/言葉は/ありとあらゆる/可能性を/特定の性質に/切り分けるナイフ。
自分たちの/都合のいいように/世界を刻む/道具。
わたし達は/世界を/あるがままに/見る。
わたし達は/言葉を知りながら/それを棄てることが/できる者。
魔女は/常に無限と繋がっていて、/
有限のあなた達に/捉えることはできない。
      ――世界の破局にうろたえるバチカンに無理矢理召喚された魔女ミラの言葉


――五十嵐大介『魔女 第2集』「PETLRA GENITALIX」

何かを知りながら、そのすべてを棄てさることができる。いつもそのようにありたい。
無限と有限の、可能性の狭間にいるようでありたい。たとえ、その両岸に引き裂かれてしまうのだとしても。

・可能性。ソフトクリーム食べたいわ、ってゆきずりの誰かにねだること

穂村弘『手紙魔まみ、夏の引っ越し(ウサギ連れ)』(小学館、2001)