37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

心の中の凍った海を打ち砕く斧

要するに、われわれが読むべきなのは、かみつかれたり刺されたりしたように感じる本だけだと思う。本を読んで、頭を一発殴られて目が覚めたように感じないなら、読む意味がどこにあるというのだ? 「幸せな気分になる」ために読む? 冗談じゃない。幸せな気分になりたいなら、本なんか一冊もないほうがいい。……必要なのは、最悪の不幸同然にわれわれをたたきのめす本……森に追放されたような気分にさせられる本であり……本とは、われわれの心の中の凍った海を打ち砕く斧でなければならない。

                                 ――カフカ

K先生の日記より。読んだ瞬間から、今日打たれつづけていた言葉。読みながら遠くに行ける、つまりは意識が醒めていく本、そういう本に出逢い続けていたい。それを求めながら読書という営みを為すようでありたい。  
読むべき本とは、心の中の凍った海を打ち砕く斧となるもの!
しばらくはわたしも座右の銘にいたします。