37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

その3

大丈夫?って訊かれたら、大丈夫、って答え方しか知らない。
ちゃんといいなさい、と叱られた。

でも、たすけてほしいときはたすけて、とか、くるしいときはくるしいとか、つらいときは、つらいとか。でも、虚空にむかっていうのには慣れているのに、だれかにむかっていうのは慣れていない。ほんとうに慣れていない。なぜか、そのような言葉を他者に投げかける言葉として認識できていないところがあるみたいで。それに、まだそうやって言葉にして言えるうちは大丈夫なのだと思ってしまう。踏みとどまれるのだと思ってしまう。

でも、ほんとうは言葉があるうちに自分でなんとかしないといけなかったりするのだ。でも言葉が消えてようやく気付くので、しばしば手遅れになっていることが多かったりする。

でも、わたし、大丈夫なふりは、そこそこ上手いのです。手遅れになったかどうかすら自分でもわからないように、自分をだますのは。