37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

La vice anglais

毎日毎日、鞭打ち小説と一角獣のでてくる物語を読んでいます。ああ、うっとり、恍惚。鞭打たれたい気分はあいかわらず。でも忙しさは極まっていて、今は活字に鞭打たれています(多分)。連日打ち合わせしていたり、デザインを頂きに山猫亭に赴いて、夜8時とか9時に五反田と神楽坂往復していたり、俄かデザイナーとなって、はじめてCS2を使って奥附をつくる羽目になっていたり(急なデザイン変更要請があったりして10回以上やり直した気がする! というわけで出稿にどきどきしているところ)。

忙しいと神経が昂ぶってくるのですね、お風呂に入っていると眠ってしまうのに、いざ寝台にもぐりこむと寝つきが殊更悪くなっているのに気づく。小説の内容のせいだけではないと思う。思いたい。

ところで自分でレイアウトソフトをいじりだすと、自然と気になってくるのが全体のバランス。フォントデザイン、版面の美学、装釘、紙の種類、特色の出方とか、実際にマテリアルとしてこの世界に顕現する瞬間をわくわく、想像しながら作業に忙しむ。それにしてもわたしは、以前あの写研が買い取ったほど美しいイワタ明朝体をつくった株式会社イワタの「イワタ書体の理念」を見て、ショックを受けたことがあります。曰く、

* 可読性に優れ、目に穏やかでなければならない。
* 美しく品位がなければならない。
* 独善を排し、一定のルールに従って統一的なものが表現されること。

ああ、なんて清らかなの。美しく品位があって独善を排す!潔癖もここまでくると素敵だ。この理念に支えられたフォントを使う安心感。これだったら、本文がどんなにエログロナンセンスに傾いても大丈夫(多分違う)!