37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

はなびとえいえん

夏の夜空に一瞬、咲き誇っては消えさりゆく巨大な虚空の花々。土曜日の夜に花火を見ながらぼんやり考えていたのは、昨日おすすめされて買ってしまったボルヘス『続審問』(岩波文庫)の永遠についての箇所でした。

――永遠とはすべての瞬間の鮮明な所有である
ボルヘス『続審問』(岩波文庫

――換言すれば、永遠とは願望の形式なのだ
ボルヘス『永遠の歴史』(ちくま文庫

我々は永遠を所有できるか否か可能性を問う前に、いつもわたしはわたしの意志を、欲望をたしかめてみる。

……貴女は永遠を所有したい?


答はもちろん是。永遠と一瞬が同じものだと知ったからには。

ねぇ、でもそのうちおぞましき増殖の罠にはまりますわよ、貴女。覚悟はよろしくって?

続審問 (岩波文庫)

続審問 (岩波文庫)

永遠の歴史 (ちくま学芸文庫)

永遠の歴史 (ちくま学芸文庫)