37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

蒼い月の夢

神話の世界へと降りていく夜――石畳の影で繰り広げられる酒宴、鉄製の文字に縁取られた名前、深緑のアンティークの椅子、石榴と葡萄と林檎の果実の香り、暗くおだやかな蝋燭の照明、ひっそりとしのびよる太古の気配、透徹した視線、永遠の切れ端、時の止まった静謐な画廊、清らかにわらいさざめく残酷な美をもつ少女たち、中秋の名月、涼やかなブルース、深夜のアイスティー、閉塞した心、どこにもいけずに終わる物語、妖しく不思議なセピア色の夢、永遠の少女標本、ルーンとタロット、世界の終わり、夭折の人形師、夕刻の優しい木漏れ陽、鳥の声、落ち葉、秋のなかをさまよう、揺らめく水のひかり、蒼い月の夜空をよぎる影、夜の東京の記憶、カフェインですこし目覚める、つかのまの睡み、偏頭痛のための緑の鎮痛剤と純白のトランキライザ、拘束、lunatic、insane、seleniakos、微熱、夢魔にうなされ続ける現実、夜道の静けさ、少女の肖像、銀色の鍵、届かないメール、夢の成分の追加――貧血の眩暈で見た幻――月が円く美しく夜空に輝き続けていたこの3日間の――。