37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

少しずつ


少しずつ心が凍っていく。がんばってもがんばっても解けていかない。心が死んだ儘、生きつづけるのには耐えられない。死にながら生きつづけるのだけは絶対に絶対にいや。どんなに素敵なものや美しいものに触れても、なにも感じることが出来ず、世界の美しさに取り残され続けていく、そんな状態で、生きているのは酷く虚しくつらい。だから、それだけはできないし、しないと決めている。

だから、なんとかしないと、なんとかしておかないと。手遅れにならないうちに。最期の瞬間までは、心が驚きと喜びではねまわっていられるように。この世界の美しさに触れられているように。すこしでも遠くまでたどり着けるように。

死にながら生きつづけたりは、絶対にしないこと。最期のときまで、心をやわらかく解きはなちつづけておくこと。
約束、いえ、誓いです。


もうためらわずに引き金を引いてしまおうか、線を引いてしまおうか。
逡巡しながら、考え続ける。