37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

北鎌倉へ

お仕事で北鎌倉へ。
東京での櫻を見逃していた身には、ちょうど満開の鎌倉の櫻が堪えます。何年ぶりかにおじゃました北鎌倉の魔力は衰えるどころか、ますます強くなって強くなってひたひたとこの身に押し寄せてくるようです。何も知りはしないのに不思議なノスタルジィにかられながら、東京に戻ってきたころには日もとっぷり暮れていました。それにしても北鎌倉に行くたび、あれは夢じゃないかと思うんだけれど。誰か否定してください。

ノスタルジアとは、まことに阿片のようなものだ。それは言おうようもなく甘美で、しかももの悲しく、ひとを酔わせる働きをもっている。」(澁澤龍彦『記憶の遠近法』、1974)