The Deadley Doris
G-Schmittという音楽を教えて貰った。それを聞いていて、思わず楠本まきを取り出す。だって、曲名と同じタイトルの漫画を描いているのですもの。考えてみたら、どちらも同じ時代の空気を吸っていたはずで……その時代が酷く羨ましかったり憧れだったりする。80年代。岡崎京子の『東京ガールズブラボー』な時代、いいなぁ。
そのせいもあってか、どこまでも強くしなやかでのびやかなこの歌姫の声は、すんなり耳に届く。でも、手元に曲名と同じ『Kの葬列』という本はないので、代わりに楠本まきのなかでいちばん好きな2冊を。
出逢わないことを決めたために永遠であり続ける恋人たちの物語、『恋愛譚』。破滅せざるを得なかった恋人たちの話『DIE TÖDLICHE DORIS』。どちらも私的漫画版恋愛聖書。これからもきっと。
――そういえば、かばんのなかにいれっぱなしだったフェザーNO.10の鋏の切れ味がずいぶん悪くなっている。明日一番に新しいのを買いにいかなくては。これからもかたちのないものを、なにかのかたちに切りとりつづけていくために。
「永遠の恋人である為に
終わることのない恋愛の為に僕達は決して出逢うことをしない」――『恋愛譚』(PARCO、2001年)
「あなた/思ったより/ずっとカンがいいのね」 「頭も/悪くない」 「もしかしたら/才能だって/あるのかも/しれない」
「―――――。/私は/ついているわ。」――『DIE TÖDLICHE DORIS』(祥伝社、1998)
- 作者: 楠本まき
- 出版社/メーカー: PARCO出版
- 発売日: 2001/03
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
- 作者: 楠本まき
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 1998/04
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 75回
- この商品を含むブログ (58件) を見る