37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

彼の場処に

以前ほどではないけれど、何度も行ったその場所にいく。人通りはやっぱり少ない。だから、思ったよりもやすやすと辿りつきたいところに辿りつけてしまう。夜の独り遊び。何度か誘って貰ったこともあったけれど、行くときは独りのほうがいい。そこはそういう場所。騒々しい夜の喧噪も何もかも一切が、たとえば世界が遠くにあるように思える場所。星があるはずの空はどこまでも暗く,車のライトやコンビニ、飲食店の照明のある地上のほうがずっとずっときらきらしていたりする。

何度ここに通ってみて、この風景を眺めていたのだろう。

ここで予感が来るのを待っている。いつも今度こそはと思いながら、つかみそこねて、すごすごと惨めに帰るのだけれど。もう少し、もう少し、したら、もしかしたら届くのではないかと思ったりもする。