37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

珊瑚礁を見に…

将校だった大叔父がなにかの本を読んで急に珊瑚礁を見に行きたいといって、休暇をとった(何の本か気になる! 沖縄あたりへ?)。出がけにベルリオーズ幻想交響曲のレコードを半分かけて、帰ってきたら残りを聞くと言って、そのまま帰らなかった。帰りに、鹿児島の沖合で魚雷によって船が沈んだから。大戦中のことで。それも迎えに行った大叔母様の目の前で沈んだのだとか。

その大叔母様が危篤だそう。昨日連絡があって、娘にあたる叔母様とお電話したのだけれど、そのときがきたらそのベルリオーズのレコードを柩にいれるから、のこりをふたりで聞いてくれたらいいなという話をしてくれたのでした。

わたしがもしそうなったら、何もいれてもらわなくていいなぁ。でも、わたしのもっているものをもしも、万一必要としてくれる誰かがいれば、そのひとのところにちゃんと届いたらいいと思う。

静かにするとのことなのでそのときに出席はしないけれど、その日はベルリオーズを聞くことにします。大戦中にもかかわらず、珊瑚礁に憧れていってしまったロマンチックな大叔父に何の本を読んだのか、聞きたかったものです。