2009-01-15 ぼくは…… 「ぼくは、ぼくの愛するものを、愛す」リーア王子は断固として、繰り返した。 (中略) ユニコーンは、もう一度、王子の心臓の上にふれ、しばらくの間、角をそのままにしておいた。かれらは、両方とも震えていた。リーア王子は、まるで手が言葉であるかのように、彼女にむかって差し出した。ユニコーンは言った。「あなたを覚えている。覚えている」(ピーター・S・ビーグル、鏡明訳『最後のユニコーン』(早川書房、1979)