最高のおやすみなさい、のひとつ。
カタオカケイコ、という女性の。
これでぐっすり眠れるわね、
もう、ホテルでも飛行機でも不安に怯えることなく、寝たままで過ごせるわね、
でも、こうやってわたくしの声を聞いているのだから、
一回だけは起きたのね、
おやすみなさい。
村上龍『エクスタシー』(集英社、1993)
おやすみなさい、おやすみなさい、おやすみなさい。
醒めない夢を。誰かに。
というメールをあるひとに送ったら、そのひとはこの物語を知らないはずなのに、死んでしまうんでしょうか……という返事が来ていた。顛末はさておき良い感覚。
ねぇ、ところで、死ぬってたとえば、永遠に眠っているのと同じだよね、ね。