37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

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明け方、何かに縋りたくなるくらい苦しかった。数時間、震えがとまらなくて動けない。恐怖で体温や血圧が下がっていくから。それでも頭の中が気持悪くてたまらず、飛び起きて脳味噌をとりだして、綺麗にあらいたくなる衝動に駆られていた。とても充実していた1日だったのにな(やっぱりそれとは別物なのだ、困ったことだ、でも、だから同時に元気でもいられる)。

自分でどうにかするしかない苦痛と恐怖。でもそれもできないから、内側から食い荒らされていく。また朝が来るたびに、予感に怯える。年をとれば緩和されていくと思いこんでいたのに、いまのところ、そういうものでもなかったみたいでちょっとがっかり。それともまだたりないっていうの(それは酷い)。

あんまり苦しいので、頭の中で何度も何度も、自分を殺してみたりする。槍で体中を刺されて串刺しにされたら、痛いだろうなとか。庖丁で身体を抉りとられ続けるとか、鋭利な刃物で首の動脈を何度も切りつけられるとか。轢死とか圧死とか。四肢を切り落とされたら、痛みでショック死かな、それで死ねなかったら失血死かなとか。書きだしてみるとあんまりヴァリエーションがないなぁ。だめだ、想像力が貧困。苦痛を幸福に摩り替えようと、なにかのために耐えるという物語を演じようかと想い、先達の殉教者の心情になろうと試してみたけれど、それもやっぱりだめでした。

なにかを信じる機能が最初から埋め込まれていればよかったのに。疑問や問いを立てる能力が欠落していればよかったのに。でも、一度たりとも気付いてしまったら手遅れだ(証明済)。

とはいっても、まだ人に会えば、話すことも出来るし笑うことも出来るし、「元気」にみせることはできる。いや、みせるというより、なにかの落差が以前より激しくなっていっているような気はする。でも、ふりでもできるのはいいことだし、よくなっているといえば、よくなっているのだ、きっと。

ヴァリエーションを増やすのを課題にします。

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日曜日のあとに月曜日は必ず来るものだって。永遠の休日はない。7日に1日しかない日に縋ることは出来ない。日常を生き続けなければ。

註 日常を肯定も否定もしているのではありません。そういう対象ではないから。