37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

+うるうどしの おおゆきの


雪の日の朝、目覚めると、空気が冷たい。窓越しに伝わってくる、あの気配。冷たく澄んだ空気をすいこむと、心臓がきゅっと、ちぢんでずきんとする。このまま、冷たさがからだのすみずみにまで沁みこんでいったら、骨の芯まで、透明になってしまえそう。そう、そうなってしまいたかった。


遅い帰り道、雪が夜をてらしていつもより、ほの明るい。綺麗なやわらかい雪をみつけて、てのひらで、かためる。つめたいのは一瞬だけで、あとはとても熱く感じる。それを忘れずにいたくて、そのままにしていたら握っている感覚も消えていって、手まで雪で、できているように思えた。そんなことが、うれしかった、うるうどしの、おおゆきのいちにち。