+贅沢な時間、風が教えてくれるのは
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徹夜に終電つづきの日々が終わって、ようやくお休みの日。暑くて、1日中ベッドに倒れながら、ずっと風の音をきいていた。本やDVDやCDは山積みになっているけれど、カーテンをひいて、お部屋を暗くして、目を閉じて、胸の上で両手を結びあわせて、なにもしていない、これがいちばん贅沢な時間の過ごし方。
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許される場所があるなら、はだかになって、全身を風になぶられてみたい。きっと風が教えてくれる、まだわたしが知らないわたしのかたち。
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馬に乗るのが好きだったのは、駆ける命の体温とひとつにとけあって、風になれたから。わたしがわたしでなくなっていく、わたしであることを忘れてしまえる、あの感覚。いつもそんな瞬間をさがしつづけている。