37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

+嵐の中に耀く月の、明るさの


すっかりあきらめていた、嵐の日の十五夜の月。いつ見上げてもその美しさは、心身に沁みとおってくるのだけれど、この夜の月は、いままでにないくらい不思議なひかりを放っていた。烈しい風雨ののちの、雲の切れ間に明るく強く耀く月。微熱や頭痛もしだいに鎮まっていくような銀色の夜。何度も外にでては、いつもよりずいぶん長い間、眺めていた気がする。見ることが叶わなかったはずの月のひかりに照らされているこの夜の世界がどこまでもつながっていることを願いながら。