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読書と映画の備忘録

アンナ・カヴァン「輝く草地」

アンナ・カヴァン「輝く草地」(西崎憲編『輝く草地』筑摩書房、1999)を読みました。素晴らしいのです。だから、目を固くきつく閉じていて居る今でも、目蓋にカヴァンが垣間見たあの草地が甦ってくる。実際に見たことがないからこそ、より鮮明に、よりはっきりと(ほら、想像力はこんなにも恐ろしい)わたしにあの草地が迫ってくる。
人は恐怖だけでは死ぬことはできないかもしれないけれど、「想像力」によって死ぬことは充分可能だ。

英国短篇小説の愉しみ〈3〉輝く草地

英国短篇小説の愉しみ〈3〉輝く草地