37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

2012-01-01から1年間の記事一覧

+『人狼』監督トーク附上映会&面白かったご本など

+ 先週も、連日打ち合わせや、入稿などであわただしく。今週もさらなる地獄週間を宣言されてしまっているのですが、そんなあいまに、先週、今年はじめて映画館に行きました。『人狼』上映@池袋文芸座。『ももへの手紙』公開記念ということで、沖浦監督と『…

+ミルラ

+ 気がついたら、今日はずっと、わたしからミルラの匂いがしていた。春の嵐の夜、暗い部屋のなかで、猫が毛づくろいをするように、裸体にすりこんでいたボディクリームの匂い。+ 香料であるミルラは、その樹木の樹脂から採取される。アフロディテへの祭祀…

+月を見上げながら

+ 月を見上げながら、街を歩きつづける。身体はとても疲れていて立ちどまりたいのに、暖かい何処かでよこになってやすみたいのに。でも、いま足をとめたら、こころに追いつかれてしまって、きっとわたしはつぶされてしまうから。

+東雅夫「橋のあやかし、川の怪――水辺の文豪怪談」

+ 綺麗に晴れた日曜日、月島はあいおい文庫で開催された、「橋のあやかし、川の怪ー水辺の文豪怪談」東雅夫氏のトークイベントへ。全面ガラス張りの窓からは、隅田川が水を湛えているのが見えます。そんな景色を背景にトーク中、幸田露伴『幻談』や芥川龍之…

+桜の日々まで

+ 赤坂、塩野さんのお干菓子は3月の雛祭りのときのいただきもの。きらきらしている。 + 猫のイラストのインソールと桜色のネイル。インソールはイベントやパーティのときに、こっそり使いたい。ネイルは、桜貝みたいな指先になるお気に入り。速乾で、プチ…

+天使のたまご その2

* * * と、書いたのだけれど、見なおしていたら、そのとおりの場面ではなかった(!)。そういえば、たしかにあると思っていた本のページや映画の場面がない、ということが、ときどき起きてしまう。本筋とはあまり関係ない、ささやかな場面だったりするのだ…

+天使のたまご を見る夜

+ どこにも いないのに おいかけたって さかな なんか どこにも いないのに + ねむれない夜に見る、お気に入りの映像のひとつ。もしかしたらこれが押井作品のなかで一番艶っぽいかもしれない。どの場面もどうしてこんなに美しく官能的なのだろう。 この直…

+市川春子『25時のバカンス』

+25時のバカンス 休み明け うそでした って言えば 許してくれるよ いい人達 だし 許されなくても いい 姫のお考えはわかりますよ これ以上近づけないのなら今度は遠のく日がひどくおそろしい 最高得点で時を止めて逃げてしまおうという算段ですね では この…

+うるうどしの おおゆきの

+ 雪の日の朝、目覚めると、空気が冷たい。窓越しに伝わってくる、あの気配。冷たく澄んだ空気をすいこむと、心臓がきゅっと、ちぢんでずきんとする。このまま、冷たさがからだのすみずみにまで沁みこんでいったら、骨の芯まで、透明になってしまえそう。そ…

+東京鎌鼬と、静かで透明な

【BLDギャラリー@銀座】 第二期 「シモン 私風景」 2月1日(水) - 2月26日(日)戦後の東京の「記憶の記録」を意図して70年に撮影された《シモン 私風景》。記憶を生んだ東京の風景を背景に四谷シモンが異化作用として登場することで、その土地の根源的な記…

+百年後

+ 百年たったら、みんな死ぬ。わたしも、いまここを読むあなたも。 そんなあたりまえのことが、ときどきすごくふしぎ。でも、そう感じる一瞬だけは、きっとかみさまの眼で、このセカイを見ている。そんな気がするの。

+ユメ十夜と永遠

+ 『ユメ十夜』を見ていて気づくの。漱石がいう百年って、永遠のことなのかもしれないって。百年は、ほぼ寿命の尽きる、人間には追いつけない時間。+ 永遠をずっとさがしているけれど、まだ見つからない。 でも。 何処にもないと知っているからこそ、わた…

+幻想の書 東雅夫×礒崎純一対談

+ 1月28日の極寒の夜、パラボリカ・ビスで催されました、「幻想の書 その出自と謎にせまる」東雅夫×礒崎純一対談へ行ってまいりました。会場には、関連書物をずらりと並べた、天井まである幻想的な書架が出現! 世界幻想文学大系がずらりと並んでいるのは、…

ネージュ≒エンジェル、昨夜は雪でした

こうしていると邪悪の精どころか 雪だけ食べて生きている天使みたいにもみえる ネージュ≒エンジェル ネージュ≒エンジェル あのころ このひびきの近いことにひとり感動していた大島弓子『たそがれは逢魔の時間』 + 空から白いものがふわふわ降りてくると、こ…

+* 謹賀*新年 *+

+ 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。今年もご挨拶できる、ただそのことがうれしいお年始です。 + 書く、といういとなみが息をするようなものだったと気づかされます。世界をほんの一瞬だけ、てのひ…