37.2℃の微熱

読書と映画の備忘録

2007-01-01から1年間の記事一覧

ときの忘れもの

スタージス展を催されていたギャラリー「ときの忘れもの」画廊主の方がミクシィの日記をご覧になってくださり、ブログに掲載してくださいました(嬉しい)! 記憶に融けこませた少女たちを思い出しつつ、ここではないどこかへ誘ってくれる素敵な写真に逢わせ…

五十嵐大介『魔女』??(小学館)を読む。すごい、すごいすごいすごい! 買ったばかりなのに、もう何回も読み返している。早くこの感動を表現したいけれど、うまいぐあいにぴったりくる言葉がまだみつからない。言葉の感覚をはじめ、アニー・ディラードみたい…

ラヴクラフト、誕生日。昨日で終わるはずだった「まがまがしい」御本の校了、偶然か必然か今日までひっぱってしまっています。以前よりもラヴクラフトラヴァー(※)になってしまったよう。そういえば、狂気と恐怖の本質を描いているんです!と、なぜかカウン…

約束

決して忘れることができないのは、成し遂げられた約束よりも、むしろ果たされえなかった約束のほう。生き延びれば延びるほどに、忘れられない約束だけがふえていく。日々はかぞえきれないほどのちいさな約束のつみかさね。昨日の約束は今日へ、今日の約束は…

夕方だというのに、まるで沈むのを忘れているみたいな太陽が膚を刺すように熱い午後、念願のジョック・スタージス展へ。駅からすぐちかくの不思議な小道の一隅、それこそひっそりと通り過ぎてしまうようなところに、ギャラリー「ときの忘れもの」はありまし…

金曜日の夜は、素敵なおじさまたちに囲まれて過ごす。エロティシズムについて、楕円形について、語りながら。たとえば、雨の日の午後、女性が裸でベッドで読みたくなるようなものであるということ。たとえば、美しくて素敵な楕円形は、シンメトリーであると…

1987(昭和62年)8月5日、澁澤龍彦、逝去。奇しくも澁澤氏のお誕生日5月8日をひっくりかえした日。なんの脈絡もなくハレー彗星がきた年に生まれて、また巡ってきたときに死んだというマーク・トウェインを思い出したりする。生死に絡む奇妙な符牒を持つ人つ…

何かで在ろうとするために、時々無性に赤い闇に沈みたくなるのは悪い癖、きっと。 でも、何かで在ることができなくなってしまっているのに、在りつづけなくてはいけなくなってしまうことのほうが、ずっとずっと怖い。その前に気付くことができますように。決…

9月まで夏休みはないと思うのだけれど、スタージスとルドン展にはぜひとも行くつもり。時間をみつけなくっては…。でも、こんな展覧会があるなんて幸せ。ずっとみたかったスタージスにもまみえることができるのでどきどきです。スタージスの写真集『満ち足り…

「本そのものが存在したがっているということを理解するのに、わしは何年もかかった。本を夢想してごらん。どんなにか荒唐無稽で、ありえないことでもいいんだ。夢想すればその本は存在する道をみつけるだろう。たとえ千年待たなければならなくてもね。」 「…

ヴァニラ画廊・ラヴドール展

このあいだ、といっても6月の末、会社帰りに念願のラヴドール展へ行って参りました。銀座の街を弓生おねえさまに案内していただきながら、ヴァニラ画廊へと向かいます。古めかしいビルのやっとふたりが入れるような狭い狭いエレベータにはしゃぎながら、辿り…

会社の後輩さん(自称腐女子)から漫画を借りる。漫画の話で盛り上がった後、でもあおいさんは801ではないですよね、とひとこと言われた。たしかに801というだけでは萌えたりしないので、そういうにはなにかが欠けている気もする。何が欠けているのかわから…

澁澤龍彦「夢ちがえ」

「目の力が異常にすぐれたひとは、よく夢を見る力にめぐまれているし、また他人の夢を吸いこんでしまう力にもめぐまれている。本人に悪意がなくても、無意識に他人の夢を吸いこんでしまうことがあるくらいじゃ。もしその本人よりもさらに力の強いひとがどこ…

ほんとうにくるしいときはことばもきえてしまうみたいだ。

つぎの一瞬まで呼吸ができない。世界には醜いものがたくさんあるのは知っている。それから目をそらしたりはしない。でも、そうならば、できるだけ美しいものも見ておきたいとも思う。そう、なにも問題じゃない。なにも苦しくはない。ただ、呼吸ができないだ…

あめのおとを聞きながら、ぬるめのおふろにはいる。昨日から腰が痛いので、これ以上ひどくならないように。小学校のとき、朝起きたら突然立てなくなっていたことがあったから、せめてそうならないように。みずのおとを聞きながらだと、いつもよりすこしゆっ…

澁澤龍彦展

鎌倉文学館、澁澤龍彦展に行った。前夜、明日で最終ということを知って、急遽本日の予定をすべて変更して。

たちどまってはだめ。すくんではだめ。今はなにも考えずにすすまなければ。

LOLITA complex

本は読んでいます。映画も見ています(たぶん)。書きたいことはたくさんあるのに、なぜか書くのが追いつきません……。今日は今日で、仕事だというのに面白くて大和岩雄『魔女はなぜ人を喰うか』(大和書房、1996)(資料本です、決してさぼっていたわけでは…

藤子不二雄「やすらぎの館」

藤子不二雄異色短編集〈2〉やすらぎの館 (ゴールデン・コミックス)作者: 藤子不二雄F出版社/メーカー: 小学館発売日: 1978/01/15メディア: コミック クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る「一千年後の再会」「ヒョンヒョロ」の2作品にぐっとくる…

デザインについて

日記の表示がようやくもとにもどせて嬉しい限り!とはいっても気に入っているデザインではないのでまだふらふらすることでしょう…。シンプルで外部リンクが色つきのデザインがほしいのだけなのに悩ましいものです。自らカスタマイズできる技量があればいいの…

約束

約束をした。ですぺら最後の日に貰った、トルコ土産だったというお酒の壜と。ほんの少しだけ残っていたそれは、やっぱりあのお店で綺麗に飲み干してしまいたかったのだけれど、なんとなくそれもできなくて、来年のある日まで残しておくことを約束した。それ…

ですぺら終焉

ですぺら最後の日、なんだかんだで終電を逃して朝まで飲む。たくさん飲んでたくさんしゃべった場所ともお別れ。最後の最後、店内にひとりっきりになった一瞬、はじめてお店に行った日は、誰もほかにお客さんがいなくてぽつんと座っていたことを思い出す。好…

その1

こんなことってこんなことってあるのでしょうか!?なんだか嬉しくってぴょんぴょん跳ねてます。だって、なんとなんとなんと平井呈一先生のお孫さんにあたる方から、メールをいただいたのですから!以前、日記に記した『真夜中の檻』の感想をみつけてくださ…

その2

ねむれなくてケイト・ブッシュばかり聞く。細くて不安定なくせに、はっきりと意志的な歌声が、不思議に心地よくて。心かき乱されるのに。すこしまえにケイトの「the hole story」というpvを借してくれたひとがいて、気がついたら夢中で見ていた。このひと…

桜桃忌

今日は桜桃忌でした。さくらんぼ、買いそびれています。画ニメで女生徒を見て気になっていたので、青空文庫で読む。なんでこんなに女の子が気持ちがわかるのか不思議。 「箱をあけると、その中に、また小さい箱があって、その小さい箱をあけると、またその中…

ラヴドール!

素敵な展覧会があるそうなので、お知り合いの方の日記から転載させていただきました! ●人造美女展覧会 http://www.orient-doll.com/news/vanilla.html オリエントのページも久しく覗いていないのですが、バービーやリカちゃん人形よりもラヴドールとして生…

平井呈一

明治35年(1902)年6月16日、神奈川県平塚市にて双子の弟として生まれる。本名、程一。近代海外怪奇小説を本邦に本格的に紹介した。『小泉八雲作品集』全12巻完成にあたっては、日本翻訳文化賞受賞。アーサー・マッケンの『白魔』で初めてお名前を知って以来…

応急処置

日記のデザインをいろいろいじっていたら、表示がおかしくなってしまいました。とりいそぎいちばん壊れていなくて綺麗に見えるデザインがこれというわけ。応急処置ですが、どうぞよろしくです。

画ニメ画ニメ画ニメ!

お仕事がらみで画ニメ新作「H・P・ラヴクラフトのダニッチ・ホラー その他の物語」試写会へ行かせていただきました。上映されたのは、「家の中の絵」「ダニッチ・ホラー」「フェスティヴァル」の3作品。「ダニッチ・ホラー」はご想像の通り「ダニッチの怪」…